こぼれ話保管庫

思わず感心してしまったり、笑えるではなく「面白い!」と言ってしまう、誰かに話したくなるこぼれ話を集めています。

アメリカの犯罪率が下がり続けた話


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ヤバい経済学 [増補改訂版]

スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー 東洋経済新報社 2007-04-27
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by ヨメレバ

 

こちらの書籍より紹介。

 

1995年、犯罪学者のジェイムズ・アラン・フォックスが「10年の間にティーンエイジャーによる殺人が急増する」と予測した。

他の犯罪学者も政治学者も似たような予測をしていて、クリントン大統領も同じだった。

「私の後を引き継ぐ人たちは、グローバル経済の素晴らしいチャンスについて演説しているヒマは無くなるでしょう。彼らは都会の通りを行く人たちの命をつないでおくことで精一杯になるのです」

そう語っていた。

 

で、実際犯罪は少しの間、少しだけ増え、その後はずーっと下がり続けた。

それは殺人だけに限らず、他のどんな犯罪も同じように減り続けた。アメリカ中で同じ結果が出ており、場所も関係なかった。

その後の5年間でティーンエイジャーの犯罪率は急激に下がり続け、ついには50%以下にまで下がった。

 

なぜこんなことが起こったのか?

 

それは銃規制でも、取締を強化したことでもない。

 

「中絶」だった。

1973年までアメリカでは中絶が禁じられていた。しかしダラスに住んでいたノーマ・マコーヴェイというアル中でヤク中の女性の訴えによって、アメリカ全土で「中絶」が合法化されたのだった。

これによって、望まない妊娠によって貧しい家庭環境で生まれる子供が減った。

 

非常に残酷で当たり前の話だが、家庭環境が悪い子供はそうでない子供に比べて罪を犯す可能性がずっと高い。

「中絶」によってそんな「犯罪予備軍」が生まれる機会が減ったのだ。

そしてその結果、「望まれた子どもたち」が多く成長した1995年以降、犯罪率が低下したというもの。

 

感想

日本でも育ちの悪さがどうのとか差別的に言われるけど、やっぱりそういうのはあるもんなんだと再認識した。

不幸ではあるし、子供は親を選べる訳ではないから子供に罪はないのだけど、やはり環境が人を作る部分は確実にあるということだ。

不幸な子供が生まれなくなるといい。